思わず涙する感動秘話から。「恩返し」

Facebook「思わず涙する感動秘話」から。面白かったので転載お許しください。

f:id:neilchikuwa:20210408131837j:plain【恩返し】
「赤塚先生は、毎晩、編集者たちを引き連れ、飲み歩いては、新宿の『アイラ』というバーでタモリと合流する。キャバレーの噴水から、裸のタモリがイグアナの真似で出てきたり、新しい遊びを考えるのが日課でした」
そんなある晩、赤塚がタモリに絡み始めた。「お前、売れ出したと思っていい気になるなよ」タモリも色をなし、「そんない方ないだろ、売れない漫画家に言われたくないよ」とやり返す。周りが必死に止めるが、手にした水割りをぶっかけ、ついには取っ組み合いに。タモリを羽交い絞めにして鼻の穴に落花生を詰め込む赤塚。すると今度はタモリグリーンアスパラにマヨネーズをつけて赤塚の鼻に突っ込む……。「ようやく我々も『あれ?おかしいな』と気づく。要は、2人で綿密に仕組んだギャグだったわけです。
先生の持論は『バカなことは本気でやらないとダメ』。遊びの時に気を抜くと、『ふざけるな!真面目にやれよ』と叱られる(笑)」
上京してまもないタモリさんに、赤塚さんは自分が住んでいた目白の高級マンションを明け渡し、自分は木造2階建ての仕事場で寝泊りしていたといいます。
その理由はというと…。
タモリは今まで会ったことのない、ものすごい才能だ。ああいう都会的でしゃれたギャグをやる奴は、贅沢させないと。貧しい下積みなんかさせちゃダメだ」
その10年後。仕事場を訪ねた担当者に、赤塚さんは1通の通帳を見せました。タモリがさあ、自分の会社の顧問になってくれって言うんだよ』そこには毎月30万円ほどの決まった額が振り込まれていました。当時、先生は連載がひとつもなくなって、不遇の時期だったんです。またタモリ『先生、あのベンツ乗らないでしょ。1千万円で譲ってよ』『キャンピングカー、500万で譲って』と言っては、代金を払ったといいます。先生のプライドを傷つけない気遣いなんです」
むろん赤塚もその思いを察していた。タモリの会社なんてホントはあるのかどうかもわからないしさ、ああやって俺のこと助けてくれてるんだろうな』と言っていました。
いい話だなと思って、通帳をよくみると、1銭も使っていない。『そりゃそうだよ。芸人なんて2年で飽きられるだろ。そうなったらこの金で俺がタモリを喰わせてやるんだ』と。赤塚先生が一枚上手だった」