甲府駅からタクシーで10分、湯村温泉街に来た。連休の前日に2万円以内で取れるホテルは湯村ホテルしかなかったのだ。
湯村ホテルに着いた。口コミが賛否両論で怖かったけど、意外にまともな外観でほっとした。
湯村温泉街、寂れ方がすごい。
廃墟と化したスナックが何軒も続いている。この橋は渡った瞬間、とんねるず的に崩れるだろう。
部屋の狭さはビジホ大好きおっさんとしては慣れてるけど、タバコ臭さとどんよりした加齢臭には後ずさった。窓を開けたい。
窓の障子を開けたら目の前にスナック鬼娘があった。映画のセットみたいだ。
空気を入れたかったのだが、窓が開かない。フロントに電話したら女性が来てくれて開けてくれた。その時僕の目をしっかり見つめて「窓を開けて寝ると虫が入りますよ」と言われた。意味がわからん。
この日は明日の事を思うと食欲が無く、目の前のセブンイレブンのおでんだけだった。コンビニのおでんは10年ぶりくらいやね。
温泉に入って8時に就寝。温泉は源泉だった。ぬるめだけど体に染み入る感じ。長期滞在の方がいるのもよく分かる泉質だった。
朝6時に起きて枕の横を見たらこの風景。この黒いツブツブ全部虫だった。ツマが一緒だったら絶対に気絶するだろう。掛け布団や机も数えきれない虫が死んでいた。フロントの女性の言葉は正しかったのだ。
夜中に咳が出てくしゃみもしたが、虫達が僕の鼻の穴や口の中に入ったのだろう。夜中の素晴らしい体験で、僕の体の中には確実に虫がいる気がしたけど、タンパク質を摂ったと思って気を取り直して朝食会場へ行った。
朝食会場でこのホテルの印象が変わった。じみーなおかずが並んでいるが、全て甲府産にこだわっていた。生卵や納豆漬物も地元の物だ。
左から、ほうとう・ナス漬物・大根おろし・酢の物・冷茶・味噌汁・卵焼き・サラダ。生野菜と甲府産のお米の美味しさにはびっくりした。おっさんは、こういうじみーな朝ご飯を毎日食べたい。
部屋のタバコ臭さには帰りたくなったけど、連休に朝食付きで11500円は安いと思う。虫問題も自然に触れたと思えば良いのだろう。泉質の良さは最高だし朝食も良かった。普通に良心的なホテルだと思った。
この後、長く闘病していた友人の弔問です。気が重い。62歳は若いよなぁ。