ボラカイ島の少女。35年前の笑顔。フィリピン「ボラカイ島」

ボラカイ島の35年前は今YouTubeで見る世界とは全然違う。
当時はプールがあるコテージは無かったし、夜になると真っ暗で観光客も少なかったし、ビーチはもっと広かった。僕は裸で泳いでいた。
ボラカイに行く事(マニラから一日かかった)が小さな冒険だった頃。

ビーチのTシャツ屋の子と仲良くなった。二人は多分姉妹。二人は英語が話せないし僕もタガログ語は出来ない。でも毎日遊んだ。お互い暇だったので良い暇つぶしだったのだ。なんせ当時のボラカイは美しい夕陽以外何にも無かったのだから。

僕がコーラを買いに行くと笑えるくらい真剣にこっちを見ていた。コーラを渡すとニコニコ笑って自分では飲まないで大切に持って帰った。次の日母親らしい人が来てお礼的な事を言われたけど、何言ってるかわからなかった。

僕は「Fridays」のレストランに1日中席を借りて、ビールを飲んだり、読書をしたり、ウォークマンを聞いたり、ランチを食べたりしていた。
それを知ってる二人は、3日目から僕の席にちゃっかり座るようになった。結局コーラを注文してあげて、フライドポテトも全部食べた。食べさせてあげる事が良い事か悪い事か分からなかったけど、自分だけハンバーガーを食べる事は出来なかったのだ。

そんな二人をシッシッって席から追っ払うのはこの子だった。
この子は「Fridays」の長女で、小学生なのにビーチレストランを仕切っていた。
責任感と正義感が強く、僕が二人にタカラれてると思ったみたいなのだ。でも3人は友達なんだけど。

いつもスタッフに細かく指示をしていて、女将の貫禄だった。従業員も立場を理解していた。この頃フィリピンで腕時計している小学生は相当珍しいと思う。

ああ、この頃のボラカイに行ければ良いのに。

CONTAX T2/FUJI RVP