ワイキキで出会った谷さんの思い出。ハワイ・ホノルル「ワイキキバニアン」

f:id:neilchikuwa:20210829204203j:plain大学4年の頃、ある雑誌の写真コンテストで優勝をしてハワイ旅行が当たりました。旅行はパックツアーに入る形で、谷さんという独身おじさんと同室。ホテルはワイキキバニアンでした。

f:id:neilchikuwa:20210709164134j:plain谷さんは海にもプールにも行かないで、ハワイに何しに来てるか分からない人でしたが、飲んで話せば面白いし食事代は全部出してくれるので、結局一緒に行動しました。

パックツアーは15名くらいでした。僕ら以外は生保のご褒美旅行で40〜50代のおばちゃん達。家庭から解放されて、嬉しさのあまり頭狂ったのかノーブラのおばちゃん(チャーリーズ・エンジェルが流行った頃なんで)もいて、エロス爆発でした。
約40年経ち、今やほとんどの方が亡くなられているでしょう。一同合掌。


f:id:neilchikuwa:20210829204223j:plainその日は谷さんがアラモアナに行きたいと言って聞かないのです。バスが怖いというので歩いて行きました。すごく時間かかりました。

アラモアナショッピングセンターの裏には変なネオンサインの店が数件ありました。
谷「ここ何?」
僕「ポルノショップだよん。やめた方がいいよん」
谷「いや、入る!」
一人じゃ何もできない谷さんですが、果敢に一人で入店してしまいました。

f:id:neilchikuwa:20210829204247j:plain店内は大量の無修正エロ本が棚に並んでいました。日本人も沢山いました。

僕は「こんなの買ったって税関で取られちゃうから無理だよ」と言いましたが、谷さんの耳には入らず何冊も抱えています。

当時の成田税関は厳しかったのですが、ポルノショップの店員はチョコレートの箱を開けて、中身を捨ててエロ本を入れてシールドしてくれたんです。一見免税店で買ったお土産のチョコレートにしか見えません。しかもDFSっぽい袋に入れてくれるんです。密輸の初歩テクニックなんでしょうが、ちょっと感動的でした。


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一冊20ドルのポルノと15ドルのチョコレートを買うと、レジ横で税関に分からないように箱に隠してくれるんですから、そりゃ日本人は買いますよね。
すごい売れ行きでした。ボロ儲けとはこの事だと思いました。

f:id:neilchikuwa:20210829204308j:plain結局谷さんは20箱くらいのチョコレート(ポルノ)を買いました。「これだけあれば、一年は保つな」と帰りの空港で言った時、ハワイに来た理由が分りました。

谷さんとは年賀状のやりとりが10年くらい続いて、箱根の有名旅館の板長になったのは知っていますが、その後ぷっつり連絡がなくなりました。

NIKON F2・55mm/FUJICHROME