8月下旬に痩せたさんまがスーパーの店頭に出ると、忘れていた秋を思い出す。もう夏も終わりなんだと思い店内の冷房が秋風のように感じて寂しく。
藤沢のさいか屋というモロ昭和風の地方デパートのレストラン街で、新さんま定食999円を見つけた。藤沢のような海に近い場所のさんまは特別に旨い気がして、花鳥風月さんに入店した。花鳥風月さんは、デパートに入っているのが不思議なくらいディープな雰囲気を持った居酒屋だ。ほとんどの客が昼間っから酔っ払ってるけど、これはデパートのモラル的にいいのかしら？
バイトなのか店主の娘なのかわからない、愛想のいい「ちょっと元ヤン現在サーファー」みたいな娘が注文を取りに来た。
「さんま定食と瓶ビールで」「サーモン定食と瓶ビールですね」「いや、さんまで（笑）」「サーモン？（笑）」「さんまです、さんま。新さんま定食」「えっ？サーモン三昧定食じゃないの？」（なんだこの会話、わざと？）という湘南スタイルの素敵な会話の後、新さんま定食が登場した。ぶっとい立派なさんまだねー。油が乗って焼きたてジュウジュウだよ。さんまの塩焼き、やっこ豆腐、岩のりと油揚げの味噌汁とデザートのセットだ。ま、はっきり言って渋谷でこれで999円だったら明日から客はひとりも来ない。しかし、素朴な良い人ばかりの湘南。この値段でもやっていけるんだね。
一年ぶりのさんまの塩焼き、油がのって旨かった。湘南新宿ラインで目黒に帰る時、僕の心の底で小さなほんとうに小さな疑問が。。。「あれっ？新さんまってもっと細くねぇ？」
