取材の帰り懐かしいカレー屋さんがあった。
近くのスタジオで撮影の時、カレーのテイクアウトをよく食べたことを思い出した。車が途切れたので、必死でUターン。
僕はカーレー&ナン780円のバターチキンを注文した。運転する車の中がカレーとナンの匂いで、僕のお腹がぐーぐー鳴った。
事務所に帰ってカレー弁当を出してみたら、銀のかたまりがふたつ。
小さい銀のかたまりはバターチキンカレー。
大きい銀のかたまりは巨大なナン。
ここらへんで視線を感じた。バイトに来ている美大生からの視線。「食べる?」「いいんですか?」「いいよ」。僕たちは半分ずつ食べた。おじさんと若者がひとつの小さな容器のカレーを交互につけて食べた。
30歳下の若者と心の交流があったと書きたいところだが、特になかった。
カレーは美味しかった。僕にとっては懐かしい味だった。