新橋を歩いていたら魅力的な家庭中華を見つけた。
三陽さんである。新橋駅近くの路地で小さい店舗ながら威風堂々とB級感を主張していて、これはまず間違いがないだろうと入店した。
こんな場所にお店はあった。
入店して僕はびっくりした。
三陽のご主人が泉谷しげるにすんごく似ていたのだ。無精髭を生やして、帽子と革ジャンを着たら、普通に泉谷しげるだろう。
鏡に映ってる後ろ姿のおじさんが、この店の泉谷しげる。
ご主人、泉谷しげるに似ているだけでなく、パーカッショニストとしての才能も魅力的だ。
鍋とお玉の音がカンカンとすごい音なのだ。さずがミュージシャン。リズム感も最高だし、鍋の音だけでなく、チャーハンの卵を溶く音も肘を立ててシャコシャコとしたり、キャベツをドサッと置く音もヤケに効果的で、ジャズを聴いているようなのだ。
ものすごいエンターテイナーなのだ。目の前で演奏してくれる迫力を是非聴きに行くべし。
このご主人、ブルーマンと共演できるだろう。
ブルーマンと、泉谷しげるの中華鍋・お玉パーカッション共演。。。楽しみだな。
カウンター席は、瓶ビールが途中で止まる微妙な高さ。
カウンターの奥行きが狭く、瓶が邪魔なので奥に置こうと思っても、ここでカタっと止まっちゃうのが、ちょっとイラつく。
ラーメン味のスープと共に、『中華丼590円』が出てきた。
この中華丼にもびっくりした。ご主人のアグレッシブな調理スタイルとは全く違う繊細な仕上げ。淡いトーンの野菜の中にナルトのピンクや、椎茸のブラウン、人参のオレンジが効果的に配されている。
モネの絵画の様だ。モダンアートでは、ジェニファー・バートレットの庭園絵画のよう。
この中華丼に、コピーをつけるとしたら、書く人は細谷巌先生しかいないと思う。
ラーメン系の品数が多い。しげるは、麺に自信があるのだろうか。
中華丼の実物は、今春のプラダの新作のように美しい。ナルトが春の野原を飛んでいる蝶蝶のようだ。
ま、でも味は、まぁ普通だった。。。
間違いなく、再訪したい店である。