いつも羽田空港に着くのがギリギリなので、お寿司をゆっくり食べるなんて発想はなかったが、今日は時間があった。寿司を食おうと寿司幸さんに決めた。
いざ突入。あれ?誰もいないですよ。客も店員さんもいない。ぼけっと立っていたら、奥からバイト嬢と談笑しながらゆるい感じで若い職人さんが登場。僕は促されてカウンターに座った。
銀座 寿司幸の支店ならこの値段は安いと思う。
午後2時くらい。ガラガラだった。
まずは、ビールと小肌の刺身を注文。しかし、出てきたものを見てガックシした。
こんなに細かく切られたら、ペラペラで小肌の味がしない。
『魚介づくし』という貝類の3000円くらいの盛り合わせを注文。カウンターなので、煮切りを塗られて一貫ずつ出てくるのが嬉しいな。
最初は、平貝から。
帆立。僕がビールを注いで飲んだ瞬間、僕の頭越しに職人さんがバイトの女の子に冗談のような事を言ったのが気になった。
目の前の職人さん、真面目そうな人だ。対応も一生懸命。
しかし、アタフタとしていて、なにか落ち着きがない。客側から言わせると安心感がない。この鳥貝、ネタは良い。
青柳。この青柳もネタは良いので、相当旨い。
みる貝。人生初みる貝だった。
赤貝。職人さんが赤貝をにぎる前に、何かを思い出したみたいで突然席を離れ、バイト嬢に今夜の予約の指示を5分くらい楽しそうにしていて、一人ぽつねんとした僕は寿司屋のカウンターで文庫本を読みだした。
その間ネタの良い赤貝をまな板の上に放置。
赤貝のヒモ。子供の頃から好きだ。
鮪づけ。
さて。。。銀座 寿司幸にしては、にぎりが雑だ。寿司幸という伝統の感じがしないのだ。お寿司自体はネタが良いので、悪くない。なんなのだろう?
このあとお椀が出て、コース終了。もの足りない僕は、ビールのお代わりと『穴子の肝煮』を注文した。
お椀。これで魚介づくしは終了。
『穴子の肝煮』を取りに行った職人さん、包丁をこの状態で数分間放置。
『穴子の肝煮』。これは旨い!
小肌。こいつも旨い。にぎりも良かった。
寿司幸名物の、椎茸。乾燥気味の椎茸だった。うーん、銀座店と違う。
穴子のツメの甘さで熱燗が飲みたくなった。ぬる燗でお酒を注文。
穴子。まぁ普通。
この後、職人さんと少し雑談したのだが、衝撃的な発言を聞く事になる。
「ここは銀座の寿司幸じゃないんですよ」「えっ?どういう事?」
「まぁ暖簾を借りてるっていうか、名前だけ借りてるっていうか、ここは◎◎◎◎◎でいう会社でして、私も寿司幸の人間じゃないんですよ。器とかは寿司幸と同じなんですがね。卵焼きや肝煮とかも寿司幸で作ってるのを出してますよ」
この人、こんな事さらって言っちゃっていいのだろうか?そこはヒミツにしとかないといけないだろ。
最後に卵。小肌もそうだったけど、こうチマチマ切られちゃうのが好きじゃない。
ビール二本、お酒一本、魚介づくし盛り合わせ、と少し摘んで9000円くいらいだった。空港でお好みで食べるならこのくらいの金額はするだろう。職人さんも良い人だった。素材もまぁ良いと思う。
うーーん、でも何かが足りない感じなんだよね。